不倫の証拠をつかんだ後で行う相手に対する損害賠償の請求

不倫の証拠をつかんだ後で

夫が不倫をしていると、妻というのは、夫よりも不倫相手の女性に対して怒りを覚えるものです。

その怒りが、女性に対する損害賠償の請求に繋がりますが、状況次第では損害賠償が無駄になることもあります。

不倫の証拠

テレビのワイドショーなどで、有名人の「誰もいない公園でキスをしている写真」や、「夜中の街角で抱擁している写真」が映し出され、不倫と騒がれます。

ただ、不倫の証拠となるのは、「肉体関係の事実を客観的に証明できるもの」です。
つまり、性交渉をしたかどうかが決め手になり、キスや抱擁だけで不倫と決めつけることはできません。

例えば、2人が同じホテルの部屋に入ったり、ラブホテルから出てきたりした写真があれば、不倫の証拠として認められます。
また、電話での2人の会話の録音や、メールやLINEのやりとりも証拠として扱われます。

大した証拠もないのに損害賠償を請求すると、相手から名誉毀損で訴えられることもあります。

既婚者だと認知

例えば、実際に夫が不倫をしていたとします。

だだ、夫が相手の女性に独身だと嘘をつき、女性がそれを信じていた場合は不倫になりません。
その場合は単なる男女の恋愛でしかなく、当然肉体関係を持つことも自由です。

不倫による損害賠償を請求するためには、相手に「故意又は過失」のあったことが必要です。

故意

故意というのは、「わざとする」ことです。つまり、相手が既婚者だと知っているのに、肉体関係を結ぶことです。

最近よくある、出会い系サイトで知り合ってホテルに行ったというような場合は故意にはならず、損害賠償の請求はできません。
ただし、女性が部署は違っていたとしても夫と同じ会社の社員だった場合は、知らなかったは通用せず、故意と見做されます。

過失

過失とは、「明らかな不注意によって起こした過ち」のことです。
常識的に考えれば既婚者だとわかるはずなのに、それを怠って肉体関係を結んだ場合が過失となります。

例えば、以下の場合は過失と捉えられることがあります。

・指輪をしていなくても、指輪を外した白い跡が薬指に残っている。
・会社が休みなのに、土日曜は会おうとしない。
・自宅の場所や電話番号を絶対に教えてもらえない。

夫婦関係の破綻

夫婦関係が実質的に破綻していた場合は、損害賠償を請求できません。

損害賠償とはその名の通り、損害を賠償するものです。
夫婦関係が無いなら、夫婦生活の権利を侵害されたいう精神的苦痛の損害が存在しないため、賠償するものがありません。

典型的な例が別居です。
何年も別居していて実質的な婚姻関係が無い状態なら、例え離婚をしていなくても、保護される権利を主張できません。

損害賠償の連帯責任

法律上では、複数の人間が一緒になって権利を侵害すると、共同不法行為になります。

そして、「連帯してその損害を賠償する責任を負う」とされています。
つまり、不倫は1人ではなく、2人で行うものであるため、2人で損害賠償の責任を負います。

だた現実的には、夫婦間で損害賠償を請求しても、家庭の中でお金が右から左に移動するだけなので意味がありません。
そこで、妻は不倫相手の女性だけに、損害賠償を請求することになります。

例えば、夫A男には妻のB子がいますが、隠れてC子と不倫をしていたとします。
そして、B子は精神的苦痛の損賠賠償として、200万円の請求を考えます。

この場合、B子はA男とC子双方に100万円ずつ請求してもいいですし、A男かB子のどちらかに200万円を請求しても構いません。
仮に、B子が夫に請求しても意味が無いため、C子に200万円を請求した場合、全額を請求されたC子は『共同不法行為だから半額しか払わない』とは言えません。

求償権の存在

ただし、C子には「求償権」があります。

求償権とは、共同不法行為による損害賠償において、自分の責任分を超えて賠償金を支払った場合、他の共同不法行為者に対して超過分を負担するよう請求できる権利のことです。

従って、C子がA男に対して『半額の100万円を支払え』と請求すると、A男は100万円を支払わなければなりません。
そこで、A男が100万円を支払うと、B子にとっては実質的に100万円しか貰えないことになります。

どうしても、200万円を貰わないと気が済まないのであれば、現実的ではありませんが、求償権の放棄を記載した示談書をC子と結ぶ方法があります。

示談書には以下の項目を記載します。

・損害賠償額は400万円とする。
・A男とC子双方に1/2の負担として、200万円を請求する。
・C子は求償権を放棄する。

W不倫

仮に、C子にも夫のD男がいたとなると、B子と同様に、D男はC子とA男に損害賠償を請求できます。

そうなると、両夫婦ともに被害者と加害者がいることになります。
従って、損害賠償を請求しても、お互いの賠償金が相殺されることで意味がなくなります(条件が違うため、賠償金が全く同じ金額になることはありません)。

まとめ

不倫は許されるもので

不倫は許されるものではありませんが、それでもって夫婦生活を終わらせることが最善かどうかは、当人同士の気持ちの問題です。

仮に、このまま夫婦でいることを決めたなら、忘れることも必要です。

なお、別れると決心したなら、離婚後の生活費のためにもA男とC子に損害賠償を請求すべきです。

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